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深夜の密会「tell me...」
「あ、夫が来ます」 「ではまた、商品についてご不明な点がございましたら24時間、いつでも…」 夫が寝室に向かってくる気配を感じたので、担当の相手が最後まで話す前に通話をきる。 疚しい気持ちなどない、といえば噓になる。 名残惜しい。 もっと会話をしていたかった。 夫はどたどたと廊...
月曜日の俺が殺しに来た、
私なりの幸せを追い求めていたはずだった。 大きな夢や明るい希望はなくとも、この身の丈に合った生活を迎え入れる事こそが最良で、帰宅後の僅かな時間と休日でその余韻を余すことなく嚙みしめる。 こんな調子で人生を終えるのも良しと言い切れる、質素で無欲な自分がきっと好きだった。 しかし、そ...
「アリアの肉」
宗教観も文化もまったく異なった、大陸の奥地に居た少数民族の習わしが形を変え密かに広まってしまうのは多様化、という言葉だけで済まされるはずがない。 その少数民族は、亡くなった人の遺体を食すという慣習をもっていた。 そんな習わしが公けになったきっかけは一人の冒険家の配信映像だった。 ...
「手向けの花」
「オークション史上、最高額で落札されたものを知ってる?」 と訊かれると難しいかもしれない。 ただ、それにヒントとして植物、または音響器具、スピーカーと付け加えていくとどうだろう。 音楽に詳しくない人でもオークションに関心のない人でも、それだったらと皆の口から出てくる。 一本の樹...