世の小さきに添わぬまで
『大足の難、フリマにて容易く解決思いのほか成り。それ鑑賞は別として、履けざれば履物に非ず』 足の大きき者にとって、履物選びは常に苦難の道なり。 店先を覗けば棚の端に僅かを残すのみ、買い求めんとすれば在庫の尽きること多し。 然れども、この規格外という負いは、フリマという市においては...
生まれてきたあなたへ β版
無職の頃、日課としてほぼ毎日一時間以上の外歩きを繰り返した。 でもどんなに歩いても、今の自分が置かれた境遇に対しての不安や不満の想いを拭い去ることはできなかった。 「何の罰ゲームだよ。 早朝、ただ毎日歩くということを繰り返しているだけ。 すれ違うスーツ姿の男を直視できない...
「真相は穴の中」β版(区切り削除なし)
「なんでもない日、おめでとう」 村長に呼び出され、そう伝えられた。 私は今日、また一つ年を重ねたことになる。 四年前、自分が取り上げた羊から頭数を増やし、そして、その内の一頭を自分の手で捌くことが出来たからだ。 十歳という年齢はまだまだ未熟者なので誇らしげに振る舞うことは...