妄想話

物々交換サイトにみる私のもち物の価値

 最近、ふしぎなサイトをブログの紹介で知った。 年末の大掃除対策につかえるサイトとしてそれは紹介されていた。 「交換 おんざうぇ~部」 という名前のサイトで、これは登録制の物々交換サイトである。   ・簡単に説明すると出品者は専用コンテナに交換に出したい物(アイテム)を入...

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彼氏が離れていくわたしの趣味『ファイリング』

取扱説明書があれば、それについてはまぁとりあえず扱える。 そういう人は世の中に多くいると思う。   取扱説明書はパラパラとめくる程度でじっくりとは読まないが、そのかわりにとにかく触ってみて覚えていくスタイルの人も世の中に多くいると思う。   取扱説明書をどんなに読んでも...

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上積みされ、塞がれた世界で。

      記録によると、世界中の監視カメラを分析してもその瞬間は捕えられていなかったらしい。 地球上の同一時間。 一瞬にして透明ブロックが、海と大地の表面をおおったという説がまかり通っている。 その瞬間の映像が一切残っていないだけでなく、その瞬間のことを記憶している者もいない。...

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すれ違いドキュメンタリー

勤続35年。 それだけの年月を同じ職場へ通っていると、その日々の通勤の積み重ねでちょっとしたドキュメンタリー番組が作れそうな気がする。 通勤電車内の日々を撮影するわけにはいかないが、同じ時間に同じ車両に乗ってきていた男の子が、時の流れによって今や高校生になっている姿を目にする...

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就職氷河期面接イメージトレーニング講座

 「どうにか今年中には仕事を決めてしまいたい。正月明けからでも働くことが決まれば、正月は親戚家族の前でも卑屈な思いをしなくて済む」 12月も中旬に差し掛かり、クリスマスムードが漂ってきていた。 現在30という年齢の私は半年以上仕事が決まらず、このまま世間が休みに入る正月まで身...

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息子が残した夢の続き

畑仕事をしていると、誰かが近寄ってくる気配を感じた。 振り返ってみると、1人の若者が立っていた。   「あの…タキくんの、お母さんでありますか?」 不安げな顔で、そう話しかけてきた。 はじめてみたはずの若者の姿に、なぜか息子の影を感じた。 生きていたのならば、もう25歳になってい...

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このお金は母がパートをしてスーパーの特売品を求めて走りまわった結果、うまれたお金だ

それを、渡された。 「同窓会の誘いがあったでしょ?今日じゃないの?」とテレビをみていた私に母が封筒を渡してきた。 中には現金二万円が入っていた。   母の狙いをどうとか考えたくはないが、私は現在世間で言うところの「引きこもり」と呼ばれる状況だ。   とはいっても、自室...

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人工衛星 サンタのおとしもの

地球上を周回する一つの人工衛星がある。 民間と行政機関が共同で開発した衛星「サンタ」だ。 本当はアルファベットで綴る名があったのだが、運営側がのちに変更した。 その名の由来は、衛星の形からきている。 サンタクロースがソリに乗り、トナカイに引いてもらっているように見えるという声から...

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もうやめなよ。プレゼントの値段を検索するの。

  「ナミ、もうさ。いい加減やめたら?」 今日もまた、あの日だと分かるとついつい口からこぼれてしまう。 ナミの偽りの誕生日だ。 いつも通り、ん~なにが?という返事だけが返ってくる。 手を休めることはなく、こちらを振り向きもせず。 たくさんのプレゼントと向き合ったまま、ナミは作業を...

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社畜の嫁は「眠り姫」

 ここ一ヶ月、嫁と会話しただろうか。  私の仕事は常に長時間労働だ。  朝は5時には家を出て、帰宅するのは日付が変わるくらい。  そして、実はここ何か月間も休みがとれていない。    嫁の起床時間より私の方が早く起きて出社し、嫁の就寝時間より遅く私が帰宅する為、私が目に...