として、

2025-01-06

妄想話

ある朝。

なんて切りのいいタイミングなんてないさ

でもその瞬間にゼロになった

戸惑いながらも生活は変えられない 心臓は急には止まらない

お金も 関係性も ゼロになっちまったこの朝を

テレビもネットニュースも 整合性チェックに大慌てで

玄関出て 決心して

いくべき場所だと思っていた場所に向かおうとして

でも もう別世界で

アナログがスタンダード

スローモーションで人が流れていて

どうなっているんですか?

もうしわけありません!

の繰り返しを

心音の高鳴りにとにかく落ち着け暴れるなと口ずさみながら

足音が加速していく

高額当選宝くじを握りしめて

それらしきところに駆け込むんだけど

対応してもらえない

なんでだよ この番号だっただろ

これで人生変わったと 早まったわけではない

でも けれど

あっさり すっきり その時が来ればすぐに生まれ変わりたかったから

これまでの関係をゼロにして

仕事も 家族も 友達も 恋人も

全てをゼロにしてからの今この時だから

ゼロをイチにすることが難しいとかいうけれど

ホントごめんなさい

なんでもしますから

このゼロだけは 何とかできませんか

できませんか?

いやいや、そこをなんとか

なんとかお願いします

ゲームのリセットボタン押して

オープニング画面で初めての展開が繰り広げられる

こんなこと望んでいなかった

ほんとだよ

 

 

…目が覚めた。

宝くじなんて買っていないさ。

大型連休のすべてを風邪で寝込んで台無しにした。

笑えるものか。少し泣きそうだ。

新年のあいさつはこのふざけた話にしよう。

しれっと早退することに決めた。

今、決めた。

年末に辞めたはずの会社に行って、突っ込まれるところまでそれで行く。