ボブザは多趣味だった。
けれど、飽き性でもあった。毎日顔を合わせているわけではないが、言っていることはコロコロと変わり、姿かたちも太ったり痩せたりとせわしない。
そんな彼が珍しく続けている一つの趣味がある。
「人飼いだ」
ー ー ー ー ー
振り返ってみれば、私が彼の、彼が言う司令室という部屋に招かれたのはちょうど二か月前のことだった。
卒業も決まり、それまでの空き時間としてバイトを探していたところ好条件の求人が目に入った。私はすぐにエントリーした。
すると面接することは一度もなく、翌日にはメールで採用通知を受けたのだった。
私にとっての好条件の一つであった、家から勤務地までは徒歩3分。
当時住んでいたアパートの公園を挟んだ向かい、昨年新設されたマンションの最上階へ言われた手順で時間通りに尋ねたのだった。
最上階の一室は大きなフロアだった。
マンションの開けたエントランスには誰もおらず、たった一つだけあるエレベーターの前に立つとドアが開いた。
私は招かれるようにしてその直通のエレベーターに乗ったのだった。
そのエレベーターから降りた先に見えたのは、高層マンションの最上階から街を見下ろした景色ではなく、優雅で洗練された家具が並べられたホテルのスイートルームでもなかった。
薄暗い部屋の壁一面には大型のモニターが、天井にまでも埋め込まれていた。数百枚はあるだろう。
そして、その部屋の中心には鈍色を放ち、重厚で頑丈そうな漆黒の机がどでかく置かれている。
その机の前に居座り、口にくわえた葉巻からもくもくと煙を上げながら振り返ったこの男がボブザという私の雇い主だった。
色白で小太り、頭は薄く、顔は全体的に垂れ気味。
しかし、よくよく近付いて気付いたのはそこまで歳を重ねていないということ。
今思えば、葉巻をくわえていたのはこの時を最後に見かけていない。
ー ー ー ー ー
「・・・・・ 」
色白で小太り、頭は薄く、顔は全体的に垂れ気味。
しかし、よくよく近付いて気付いたのはそこまで歳を重ねていないということ。
今思えば、葉巻をくわえていたのはこの時を最後に見かけていない。
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「・・・・・ 」
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