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寝付けない、ながい夜。 カーテンを開いたまま、硝子窓の外を。 霞んだ雲に潜っては顔を出す、少し欠けた月を。 ベッドに横になったまま、長い時間、目で追っていた。 月明かりの下で洗濯物がやわらかに風に揺られている。 洗濯物を夜に干すのは、きっと、亡き母を傍に感じられるからだ。 母...
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「ひさしぶりだね」 小さな山の中腹にある、誰も居ない、誰が管理しているのかも知れない。 そんな 教会の前にある朽ちたベンチに腰をかけて。 暮れていく街並みを眺めていたら背後からそんな声が聞こえた。 「また、さがしもの?」 淡々と話しかけてくるその声に対して、返事はいつも通り...
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風呂場で湯に浸かっていた。 体が温まってきたところで、少し体を起こしてマッサージをする。 再び深く沈み込む。 水面に向かって泡が「ぷくぷく」とのぼっていくのが見えた。 わたしの体にまとわりついていた泡のカプセルが立ち上っていく。 水の中から抜け出した泡は小さく「ぷちぷち...
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明け方、スマートフォンの画面が断続的に白く光っていた。見れば通知が百件を超えている。 グループチャットで、また誰かが変な動画でも送ったのかもしれない。そう思いながら画面を開くと、見たことのない通知が一番上に表示されていた。 『あなたに関連する可能性のある画像が公開されています』 ...
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ずっと愛用してきた「歩調器」が壊れたみたい。 いつものように目覚めて直ぐ、耳元にセットして起動してみたのだけれど反応がない。 とりあえず制服に着替えてみるものの、怖くて自分の部屋から出られない。焦る。 歩調器はなかなか高額なものだというのに、国内では着用率が90%を超えているそう...
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