妄想話

月の裏側で

雨上がりの駅のホームで、男が泣いていた。 誰か近しい人が亡くなったのかもしれないし、仕事がうまくいかなかったのかもしれない。 理由はわからない。 ただ、涙の粒がコンクリートに吸い込まれていく様子に見とれていた。 その瞬間、思い浮かんだのだった。 「この場面、もし月が昇っていたら、...