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「この子」のいる書店
それはある日、この小さな書店の中へ飛び込んできた。 少し遅いお昼ご飯を食べ終わり、店番をしていた妻と交代したところであった。 いつも通り、時刻は二時を過ぎた頃であっただろう。 その時は、確かに店の中に客は一人もいなかったはずだ。 「おい、居るんやろ?」 店の入り口の方から、...
俺の人生を超えて逝け
今や先人の知恵や技術などは、お金さえ出せば簡単に手に入る時代になった。 お気に入りの音楽を聴くように、気になった本を書架から一冊抜き取るように。 国民は祖先が代々受け継いできた能力を引き継ぐ権利があり、この先の国の未来へと紡いでいく義務があるのだ。 もはや「伝統」という言葉は...