妄想話

月曜日の俺が殺しに来た、

私なりの幸せを追い求めていたはずだった。 大きな夢や明るい希望はなくとも、この身の丈に合った生活を迎え入れる事こそが最良で、帰宅後の僅かな時間と休日でその余韻を余すことなく嚙みしめる。 こんな調子で人生を終えるのも良しと言い切れる、質素で無欲な自分がきっと好きだった。 しかし、そ...

白い空間『 』

白い空間『道標』

目を閉じると直ぐに白い空間が広がった。 私には睡眠中、強制的に別の世界で目を醒まし、そこで時を過ごさなければならないという不思議な習性がある。 その現象が起きるのは幼少の頃からで、眠りに入れば必ずやってくる。 白い世界をしばらく歩けば、周囲に白いドアが浮かび上がってくる。 そのド...

無国籍活動集団「alias」 妄想話

「アリアの肉」

宗教観も文化もまったく異なった、大陸の奥地に居た少数民族の習わしが形を変え密かに広まってしまうのは多様化、という言葉だけで済まされるはずがない。 その少数民族は、亡くなった人の遺体を食すという慣習をもっていた。 そんな習わしが公けになったきっかけは一人の冒険家の配信映像だった。 ...